「この記事さえ読めば、このブログの過去の記事は、読まんで良し!」 そんな素敵なまとめ記事を書きたいな…なんて夢想していた時期が、 最近まで私にもありました。そう…いまは諦めてます…ケホケホ 代わりに主題を絞って、今の視点から改めて記事を書きます。 早い話、昔の記事の二番煎じになるわけですが… 「極端な勘違いをしないために」最低限必要な情報だと思うんです。 「そんなこと知ってるよ!」な人は、適当に読み飛ばしてくださいネ! ズバリ、日本語と韓国語で意味がズレがちな「恨(ハン)」、 「親日」「反日」について、改めて記事にしようと思いますが、 例によって話が長くなってしまったので、記事を分けます。 まずは、誤解されがちな「恨(ハン、한)」という言葉について。 韓国語の「ハン(恨)」という言葉は、必ずしも 「恨み」や「恨めしさ」を意味しません。 「未練、悲しみ、悔しさ」が一般的です。 実際の用例をあげると 「子供を親の恨晴らし(한풀이)に使ってはいけない」 → これは「子供の人生は子供のものなんだから、 親ができなかったことをやらせようとするな」 という意味で言う。 「願いが叶ったからもう死んでも恨(한)はない」 → これは悔いや未練がないという意味であって、 恨みが晴れたという意味ではない。 日本語「恨み」の場合、goo辞書σによると1番に「他からの仕打ちを不満に思って憤り憎む気持ち」2番に「他と比べて不満に思われる点」となっていて、何かの「対象」あってこその表現である場合が一般的だと分かりますが、韓国語の「恨」という言葉は基本的に対象がなく、長く積もった未練、悔しさなどの気持ちそのものを意味します。対象を持つ「恨み」を言いたいときは怨恨や怨望σなどの言い回しをします。(*ニュアンスとしては「怨恨」が「恨み」に、「怨望」が「恨めしさ」に近い) 昔のホラードラマで女性のお化けが出てきて「恨を晴らしたい」と言った場合、「怨恨を晴らしたい」という意味である可能性もありますが、必ずしも復讐を望んでいるとは言えず、「あの人をもう一度ひと目見たい」と願っている場合も「恨を晴らしたい」といえるわけです。復讐して恨が晴れて成仏する場合もあれば、恋を告白して恨が晴れて成仏する場合もある。「恨めしさ」は「恨」として積もった気持ちが持つ可能性の一つでしかありません。言葉自体のニュアンスは「積もった未練そのもの」なので対象がなく、「恨み」と決め付ければ誤読になる。 ちょっと大げさに「連日チョコパフェが売り切れて恨(ハン)になっていたが、今日食べられてその恨が晴れた」なんて言う場合、「チョコパフェを食べられなくて誰かに恨みを抱いた」という意味ではないわけです。ここでいう恨は「チョコパフェを食べられなかった歳月により積もった悔しさ」そのものを意味します。「大げさな」と言われるかもですが、普通にあり得る表現ですよ。 買ってみたものの、あまり面白そうじゃなかったので読んでない作品ですが(失礼)、このように「恨(ハン)」という言葉の韓国独自の概念を、(話者が外国人であるにも関わらず)そのまま語っている作品がありました。(本当に日本の雑誌に載った作品?^^;)調べてみたら韓国だとネットで掲載されたことがあり、カラー版がまだ読めます(σ) これなら 朝鮮民族を「恨の民族」と定義したのは日本の学者だと聞きますが、もちろん「恨みの民族」などと定義したのではなく、朝鮮語の「ハン(恨)」の概念を用いての表現だったはずです。ネットで「恨みの民族」などと言っている人は、字面だけを見て早合点しているか、ネガティブキャンペーンとして、意図的に早合点させようとしているのでしょう。 嫌韓ネタとしては、人喰い日本兵などという、かなりきわどい証言(?)をしている慰安婦のお婆さんの画像が出回っているため、韓国の記事の「慰安婦のお婆さんたちの恨を…」なんていう表現を見ると、「恨み」という意味だろうと思ってしまうのも無理はないのですが、ここでいう恨とは「長く積もった心の悲しみ」程度のニュアンスなわけですね。 タイムリーな話題なので、ついでに慰安婦問題について思っていることを話します。 今月、ソウル国際女性映画祭での香川京子さん特集で『モスラ』などが上映されたので、それを観に行くついでに昔から興味があったピョン・ヨンジュ監督(σ)の映画ナヌムの家2(韓国名:低い声2)も観てみたのですが、昔観たオレの心は負けてないといい、単なる被害者のイメージに留まってなくて、皆さんそれぞれが色々と考えてらっしゃることが分かる。当然ですが「従軍慰安婦がどういう存在かは、一概に言えることではないのだなぁ」という気づきのある映画でした。 去年、KBSだったかMBCだったかで放映したドキュメンタリー番組で観たのですが、台湾の元従軍慰安婦の方も、やはり村の人から白い目で見られるので、周りに言えず、ご子息にも打ち明けられなかったようです。韓国もまったく一緒なので、こういったことをカミングアウトすることには勇気がいりますし、わざわざ話を聞こうとするのも研究者や意識の高い人(?)が殆どです。(正直、楽しい話ではないですから、私もこんなブログをやってなければ、興味を持てなかったと思います。私が録画を頼んだ相手も、なぜこんなものを見るのかといぶかしりましたよw) なので、ついつい身構えて考えてしまいがちなのですが、このたびナヌムの家2を観て、むやみにシンボル化してしまおうとせず、独立した個人として考える必要があると思ったんです。この映画が1998年の第1回台湾国際ドキュメンタリー映画祭で銀賞を受賞しているのは、政治的な立場からの解釈ではない、等身大の人間を見せているからなのだろうと推測します。 最近、去年の10月に出てる『帝国の慰安婦』という本に対し、当事者への名誉毀損だとして販売禁止を求める訴訟σがありましたが、日本のネットからは「お婆さんにこんな難しいことができるはずない。市民団体の言いなりなのだろう」との意見も出ています。ですが、本に込められている「慰安婦問題を売春の枠から考えよう」という主張を知れば、そう思わないお婆さん方が怒ることは充分にあり得ることです。また、そこまで話題になっていなかった本を、(まだ売っているので)今のうちに買っておこうとする人が増えたり、感情的な反応ばかりではなくまっとうな議論も活性化したという点において、私は慰安婦のお婆さんたちの抗議が社会的に有意義な結果につながってくれればと思いますが、「市民団体は政府のいいなり」「政府から出る金のためだけの活動」と考える方々は、このいざこざが政府に利益をもたらすのかどうか想像されてみては? 確かに韓国の運動圏勢力は頭が固いし、極端なところもあって嫌われたりもしています。ただ、話題の本の著者パク・ユハ教授がFacebookに投稿した「2014/6/16日の告発と報道に対する考え(σ)」という記事とコメントを見ますと、「この事態の原因は、私が挺対協にとって都合の悪いお婆さんと仲がよかったからではないか」とする著者に対して、「私もまた、信念を持つ慰安婦だけを持ち上げる挺対協が嫌いです」としながらも「挺対協を支持している慰安婦のお婆さんが多いことも事実です。当事者の意に反する活動をしているわけではありません。挺対協と同じやり方による挺対協批判は賛同しがたいのです」という旨のコメントが寄せられており、「著者もまた、元慰安婦のイメージを画一的なものにしようとしている」と感じる読者もいる模様です。*6.25日にパク・ユハ教授が公開した出版差し止めに関する書類σに対する反応を見ると、著者の意見に同意しない読者でもこの件に関しては応援している場合があります。現在、教保文庫の歴史/文化ベストセラーでは12位、書名をNaverで検索するとここ数日で読んだという感想がちらほらと…あとは、出版差し止めにならないことが理想的なのですが…要求どおりに教授職の剥奪なんかさせた日にゃ、運動団体は大義を失うでしょうね。ちなみに(別の投稿で)パク・ユハ教授が「一番報道が公正だった」と評したσ週刊京郷の記事から抜粋します。私はハンギョレより京郷新聞推しです!(←いらぬ自己主張) (前略) この事件について一言述べたい読者がいるなら、法院からの販売禁止仮処分申請が出される前に『帝国の慰安婦』を購読することを勧める。この件はただの「論争」から社会的「論議」へと昇華される必要があるからだ。 本の内容に入ってみよう。冷静になって考えてみれば、「日本軍慰安婦は業者である元締めにより運営された一種の公娼だった」という話をありのままに受け入れることは難しくない。それは私たちが「基地村」で何度も目にしてきた姿だからだ。 パク教授は京郷新聞との通話で「騙されて行った場合も自発的に行った場合も管理売春がほとんどであり、その構造を見極めてこそ補償と謝罪を要求できる」と自分の考えを明かした。日本軍が直接慰安所を運営していないこと、中間に入った元締めたちが慰安婦に与えられるべき金と伝票を巻き上げ、彼女らに性売買を強いたことなどは、私達の歴史的想像力を阻む「神聖なタブー」を払いのけてから考えれば、特に受け入れがたい主張ではない。 問題は、慰安婦の実質的運営主体が業者だという事実から、パク教授があまりにも過大な免罪符を発行しているところにある。本の結論の部分に至って、著者は【しかも動因が「人身売買」を通じてなされることを軍が知っていながら指示していない限り、たとえ傍観したとしても、その黙認が意識的に行われていない限り、「強制連行」や「人身売買」の主体を「日本軍」と想定することには無理がある】(255p)と主張する。 このような論理に従えば、公然と米軍基地の前で「基地村」が運営されることを傍観し、または陰から支援しながら「外貨稼ぎ」に乗り出した韓国政府の過去を非難することも出来なくなる。韓国戦争当時、日本軍から学んだとおりに韓国軍が慰安所を運営したという証言と資料も多く確保されているが、韓国軍の戦争犯罪に対しても、私達は「道義的責任」を論じるしかなくなるのだ。その結果として埋もれてしまう数々の戦争性暴力の被害者たちのためにも、『帝国の慰安婦』論争は、さらに真摯に展開し、昇華される必要がある。7月1日「週刊京郷」1082号に載る予定のレビューσより 私はこの訴訟事件が、韓国において慰安婦問題が深く、広く理解されるためのきっかけになればと思うのですが、一部のネット民にとっては「言論弾圧の証拠」のソースとしてしか扱われないだろうことは残念ですし、実際に憂慮すべき状況σであることは事実です。この件の推移は要注目です。 こんな入り組んだ状況ですから、「悪意のある慰安婦がウソをついたり、ウソじゃなくても、政治的に利用されるのでは」と心配するのも分からなくないですが、名乗り出た人は他の国にもいますσし、研究者は私たちと違って、証言を鵜呑みにするのではなくフィールドワークを行っているわけです。各国の研究者や支援者が「被害者の尊厳」のために活動していることを理解せずに「反日活動」とばかり決め付けていては、事態の現状を見誤ってしまいます。元慰安婦という属性だけで証言者の人格を決め付けるのは国際的に、いや人として基本的にアウトだと思います。 この問題についてはいろんな意見があります。ピョン・ヨンジュ監督の場合、上映後のトークで「ボスニア内戦での女性への戦争犯罪を国連が認めたことには、韓国の慰安婦の女性たちが声を上げたことも貢献している」という見解を示し、たとえ日本政府から国としての謝罪を引き出せなくても、女性が自ら声を上げることには、それ自体に意味がある。という主張を述べていました。また韓国では最左翼といえるパク・ノジャ教授は、「国を民が裁けなければ、国家犯罪が再発する土壌を作ることになる」といった旨の意見σを述べています。建国大学ロースクールのイ・ジェスン教授も似た意見で、パク・ユハ教授の新刊は「文学的すぎる」との感想を去年のレビューσで述べていました。 未来に禍根を残さない解決の仕方が何なのか、私が勝手に言い切ることはできませんが、往年の調子でお節介を言わせて頂くなら、証言者の人格を侮辱する言説が国際世論を悪くすることは確かです。日本の執権与党は「国際世論を刺激しないで自国内の支持層を納得させる」方法として河野談話の検証をしたのかな?と推測しますが、だからって「ウソつき韓国を論破すればOK」的な認識に陥っていたら日本のガラパゴス化は待ったなしですよ。韓国のことは相手しないとしても、冷静に現状を把握したほうが効果的に政府を弁護できるはず。韓国なんか論破してる場合じゃねぇ! 話が脱線しまくりですが、次の記事は韓国における「親日」「反日」の意味についてになります。
by no_tenki
| 2014-06-25 03:52
|
2010.5.21
後日リンクするどころか1年近く過ぎてしまったので、いまさら過去の記事に手を加えるのも気が引ける…ということで、こちらにリンクさせていただきます。
[韓国史のウソを論争する] 【2013年追記!】ここは暇な構ってちゃんだったブログ主が、恥も外聞も捨て韓国人であることだけを売りにして無責任で人間に対する礼節を欠いた不誠実な書き込みを匿名で昼夜繰り広げた恥の記録であり、すでにブログとしての機能は停止していますが何か書くことがあるかもしれないもののやはりブログとしては終わっていますので探さないでください。逃げたい。*知り合いにバレたら失踪するレベルです。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい… ライフログ
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